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2019.11.01

菊池温泉掘削物語

10月30日に菊池温泉薬師祭がありました。

ここで、菊池温泉が湧出した当時の事を引用しました。

先代のおかげで今がある。私達も将来の菊池温泉の為に尽力してまいります。

 

「菊池にも温泉があったらなー」は、昔からの願望であった。

昭和九年 五月 最初の試み

三四九名の先覚者により「隈府町繁栄ヲ目的トスル出資金ヲ以テ、南田ニ温泉掘削作業ヲナスモノトスル」を目的とする

『隈府温泉組合規約書』に協賛して掘削を始める。(事前調査なしと非力な機械力の為、中途挫折)

昭和二十六年 三月二十日 村川会長の想いと困惑

隈府二十日会の例会の話題は「観光隈府に奇す」であった。そこで、村川商工会会長は、「私は温泉を掘ります」と発言

(温泉問題は空論を許さぬ早期解決を要する重要懸案として、動かせぬ世論となった。)

昭和二十六年 八月二十四日

『佐敷町に於ける温泉掘削報告書』において掘削費用一千万(今の数億円?)が商工会では重荷として、町議会に移譲せざるを得なくなった。

昭和二十七年 七月十一日

『温泉調査概要報告書』の中で、鹿児島大学露木教授は「隈府地区一帯は溶岩層が二段になっていて、三百尺(約九十メートル)位には温水がある様だ。

あるとすれば、地形から見て層状温泉であると断定され、一千尺位で四十度前後の温泉があると思われる。

層状温泉だから一箇所掘って湧出したら、その付近ならどこを掘っても温泉は湧出する。掘削場所は現在の菊池温泉地が良い。」と報告

(しかし、町議会は何故かその後温泉問題を避けるかのように)

昭和二十八年 一月

町議会で町営に依る掘削事業の見送りが決定的に

(温泉ブームは、財政難と慎重論で立ち消えになるかもと見られたが)

村川信彦商工会長「夢物語り」

「明け方に町全体が一眺出来る城山の一角に立っていたら下の方から真白で銀鱗の白龍がのぼってきた。

美しい女性が「会長さんあれは親龍でして後ろの子供龍をご覧下さいませ」というので指差す寺の馬場の方を見ると、

たくさんの子白龍が一面にモウモウと立ち込める湯煙の中に戯れているではありませんか。私は「この下は地獄の湯壷だろう」と・・・

昭和二十九年 一月十七日

夢の啓示で意を決して町長に私邸に訪れて、対談の結果、商工会が掘削を担当し町は助成金負担で話は決まった。

(次の日から会長の自転車のペダルを踏む単独募金運動が始まる。)

昭和二十九年 四月

『温泉掘削と商工会』を配布し協力を呼びかけ、又不正行為等を断固排除してガラス張りの運営で町発展を念願して商工会が立ち上がったものだと述べた。

昭和二十九年 四月十九日

掘削地点を東正観寺字守山一一二五に決定(森山清喜氏が土地提供)。

昭和二十九年 六月二十六日 夢物語り実現に向けて

雨の中の起工式

昭和二十九年 八月十日

第一回目の測温 三十五度(三百尺=約九十メートル)

同年 九月十一日公開測温 四十度七分(六百尺=約百八十メートル)

露木教授の指導の下さらに掘削

昭和二十九年 十月十八日

岩盤に大型亀裂現象に逢着する。これこそ待望の地下現象で、「地獄の釜」である。

(大方の温泉は地熱で温められた地下温水が、亀裂や断層に沿って溜まり、そこへボーリングの先端が突き当たって湧泉となる。)

八百十三尺(約二百四十六メートル)のところで、二十八日掘削作業を打ち切り三馬力のタービンを設置して作業を終了。

昭和二十九年 十月三十日 菊池温泉誕生

タービンの吸力により四十三度の天然温泉が湧出

昭和三十年 三月二十五日

温泉旅館(隈府会館=現在の進都ビル)の設立の決定設立へ

その後三〇年後第一号泉は商工会が所有し、商工会地域開発のシンボルとして、大衆浴場「夢の湯」株式会社隈府温泉と名乗って営業。


その後、旅館組合の隣にある薬師堂には、集まり来る白龍の上に立つ薬師如来の尊像が安置されています。

熊本県内では、山鹿の鹿物語・杖立の病人と杖物語そして菊池も白龍伝説として観光材としてされています。

感謝!!

村川氏をはじめとする商工会委員と市民の温泉への夢を追いつづける熱意には頭が下がる思いである。

今私たちにとって、温泉は心と体を癒す唯一のものである。これからも温泉を大事に使い、温泉に感謝し、菊池の宝としていきたいものである。感謝!

文献「菊池温泉掘削物語」より引用

著者 高野徳次(元隈府商工会専務理事)

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